精巧な深海、むきだしのBOLERO

自分の中でミスチルのターンが絶賛継続中です。今日は久しぶりにBOLEROを聴いてみたんですが…いやぁ…すごい。人気絶頂で精神的に疲れきった人間の、世間かマスコミか、誰かしらに向けた憎しみを強烈に感じました。

ミスチルのアルバムで評価が高い作品として、よく名前が挙がる深海。音、歌詞、曲の並び、全てがうまく配置されていて、本当に深海を漂っている感覚を得られるような名盤だと思います。

深海が緻密に作り上げた精巧な作品だとすれば、BOLEROは感情のほとばしるまま絵の具をキャンバスに叩きつけたかのよう。「ふざけるな。好き勝手言ってんじゃねぇ。お前らに何が分かるんだ!」そんな叫びが聞こえてきそうな、ミスチルの中でも例を見ない圧倒的な凶暴性。ご存知、ミスチルはBOLEROを置きみやげに、長い長い活動休止に入りました。

最近のミスチルといえば、大人の優しさを感じられる曲が多くなりました。活動を再開して、一時は大病を患うほど追い込まれた事を思ったら、なんて素晴らしい。きっともう、あんな楽曲は聴けないだろうけど、あれは人生で一度放つことが出来る、生命の叫びなのかもしれません。

そんな事をつらつら考えていたら、Mr.Childrenの楽曲と小林武史のアレンジについても思うところが。それはまた次回。

「ああ君に幸あれ きっと明日は晴れ 本心で言えるならいいですね」

Mr.Children - タイムマシーンに乗って