Mr.Children - 過去と未来と交信する男

こいつはまた、とんだ詐欺師だ。

いや、レッテル通り「虚言癖のある怪しい奴」か。

・お金は頂かない

・私を信じれることが唯一の条件

自分を信じている人間=信者のことしか占わない。そりゃ自分を信じきっている人になら何を言ったって信じるさ。

でも、中には「信じてますよー」なんて嘘を言って占ってもらう人間もいるかもしれない。よろしい、ならば当てて差し上げましょう。

「悲しい過去が見えます」

「でも心配はいらない」

悲しい過去がない人間なんて、世の中にいったいどれだけいるものか。誰にでもあてはまりそうな事をほのめかす…いかにもな手口です。

・すべてを知らない方があなたの為

・覚悟があるなら話そう

って脅しておいて

・大きな何かに守られています

・あなたは幸運な御人

ホッとさせる。本気で占って欲しいような人は、健康や人間関係などに不安を抱えていて、ことさら信じ込みやすいんです。都合いいことも、悪いことも。

「とても愛してくれた その人に心当たりがあるんではないですか?」

心当たりなら、大抵の人にはあるよ。今「愛してくれている」はどうあれ、両親や祖父母など「愛してくれた」人は、きっといたもの。

「そして今日も目を瞑って深く息を吸う」

超能力があるように見せかけるためのギミック(仕掛け)。本物のチカラは自然体でも出せるけど、ニセモノは演出を借りて本物っぽく思わせる。

・安らいだ未来が見えます

・だから心配はいらない

何の根拠もない。曖昧な表現で過去を当てておいて、さも「私には分かるんです」という体で「未来は大丈夫ですよ…」なんて。この男が一体何者なのかは分かりませんが、本当に未来が見える人間ではないことは間違いないでしょう。

でも、いい人。詐欺師なら、過去を当て、未来の不安を煽り、水晶やらツボやらを買わせようとします。だからこれは、安心させるための優しい方便。

くれぐれも気をつけてください。この歌詞に安心したり感動するような人は、心に不安を抱えた、だまされやすい人間ですから。…そう、自分も。

取り上げるには今さらな曲ですが、今朝聴いていたらモヤモヤと浮かんできてしまったので書いてみました。

誰にでもあてはまることって、真実でもあるのかもしれませんね。人生、そんなに怖がらなくても、不安がらなくても大丈夫だよ…って。つまるところ、この歌は「It's gonna be alright.」であり「ケセラセラ」であり「なんとかなるさ」って言っているのかも。あれ、どこかで聞いたような…

ちょっと見方を変えて。

「わかっています 皆が私を見る懐疑的な目」

実はこの人、自分が疑って見られてるところには気づいてます。決してバカじゃない。にも関わらず「私こそ過去と未来が見える」なんて言っちゃってるのは、本気で自分を凄いと思ってる「イタい人」な可能性もあるわけで。悪人や胡散臭い人ではなく、中二な人。そういう目で彼を見るのも、また一興…