終わっていく音楽番組たち

ここ数年の間に、長く放送されていた音楽番組がつぎつぎと終わりを迎えています。既に終わった「ポップジャム」「HEY! HEY! HEY!」に「うたばん」に、今年の3月で終わる「Music Lovers」。特に前の3番組は自分が中高生ぐらいの頃によく見ていたので、終わってしまったのはちょっぴり残念です。

ただ残念さを感じると同時に、仕方のなさも感じました。終わった番組の末期は、いずれも何を見せたいのか分からない、正直言ってつまらない番組になっていたと思います。よっぽど暇か、目当てのアーティストがゲストで出てこない限り見てませんでした。

終了してしまった(終わってしまう)番組

・HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP (1994-2012)

初期は音楽バラエティとして楽しい番組でした。メインゲストの時間が長くて、ダウンタウンならではのおもしろトークを楽しめたのが良かったです。ミスチルゲストの時に「おっぱいが道に落ちてたらどうする?」みたいなトークがあったり、ギター田原さんの浜ちゃん似いじりとか、この番組ならではの面白さがありました。

それが、しばらく見ないうちに「あの人は今」のようなバラエティなのか、音楽番組(?)と疑問符がつくような状態に。ラスト数回の特番になって、初期のようにミュージシャンとダウンタウントークを楽しめたのは何とも皮肉な話です。そして最終回。最後の最後にマッキー&ダウンタウンの「チキンライス」が曲の途中で終わるという…まるでAKBのあっちゃん卒業公演の時のようなヘマ。フジの生放送は…

・うたばん (1996-2010)

これも初期は中居くんと貴さんという異色のコンビとゲストのトークが面白かったです。ミスチルが持ってきたお酒で出演者がベロンベロンに酔っ払ったトークとか、モー娘(飯田圭織のジョンソンいじり)とのトークは色々と面白かった記憶あるなぁ。

末期は「うた」部分を極力まで削ぎ落としたバラエティ番組になっちゃってました。もはや「ばん」しか残っていない状態。そのバラエティが面白ければ救いもあったんでしょうけどね…

・Music Lovers Mラバ (2006-2013)

ライブ形式なので歌部分の内容は割といいんですけど、演奏中にゲスト芸能人をワイプで抜いてるのとかが目につつきます。音楽番組ってゲストアーティストを目当てに見る人が多いと思うので、誰が得するんだっていう編集です。

続いている番組

MUSIC STATION Mステ (1986-)

基本的にタモさんのトークは見ていてハラハラします。安定するのは稀にタモさんと趣味のツボが合う人ぐらいですね…それは笑っていいともと変わらない(笑)それはさておき、ジャニーズ枠があるのは光GENJI時代からの伝統だし、生放送で5〜6アーティストが出演するスタイルは変わらないので、安定はしています。

途中のコーナーは、以前はシンプルなシングルランキングTop10だけだったのに、最近は「**年のランキング」的なのもありますね。あるのは構わないんですが、無駄に尺が長い!その時間で若手アーティストを一組増やしたり、トーク時間を長くするとか…あ、ハラハラするトークは短くていいのか(笑)

・COUNTDOWN TV CDTV (1993-)

基本線は変わらず。でも、メインのシングルランキングの時間がどんどん短くなって、もはや各回のスペシャル企画の方が長くなっているのは笑うポイント。単純なオリコンチャートではなく独自ランキングですが、大差はないかな?一番組あたりに流れる曲数は多いので、30分程度でさらっとチェックするには便利です。何気に毎週欠かさず見ている番組です。

オープニングとエンディング曲が、少し外した感じなのも素敵。先月(2013年2月)のオープニングが佐藤タイジのバンド、Rabbit「Nikki」だったのは驚きました。ナイスチョイス。

僕らの音楽 (2004-)

曲を聞かせる点では、今いちばん重点を置いてる番組じゃないでしょうか。演奏、音ともに充実しています。メインゲストが対談相手を選ぶので、他では聞けないようなトークに発展しがちで面白いです。

FNS歌謡祭や過去の映像で済ませる回がちょいちょいありますが、収録に時間をかけるための繋ぎだと思えばまぁ…嫌ならその回は見なきゃいいだけですし。この番組は今後も楽しみにしてます。

・火曜曲 (2012-)

中居くんと江角さんのMCコンビ…うーん、微妙。二人とも、あまり邦楽に興味ないんじゃないでしょうか。いまひとつ盛り上がりに欠けるというか、タモさん以上のトークのヒヤヒヤ感は見ていて息苦しいです(笑)

AKBが毎週出てることは何の問題もありません…多分個人的な事情で。ただ、基本的に裏番組のロンハーを見ているので、ロンハーが休みの時しか見てません。

似たり寄ったりの番組

終わっちゃった番組は、どんどん軸がぶれていっちゃった感じがあるんですよね。色々試してみるのはいいんですけど、視聴者が何を見たくてチャンネルを合わせれるのかが分かってなくて、しかも「こう見せたい!」っていう信念も感じられない。ただでさえテレビからネットやゲームに人口を奪われてるんだから、心惹かれる番組を作ってもらわないと。各局横並びで春うた恋うた卒業特集なんてやってる場合じゃないです、ホント。

今更普通の音楽番組作っても仕方ないから、30歳以上のテレビ世代を無視する覚悟で、テレビを見ない若い層を引っ張ってみたらどうでしょう。例えばアイドル戦国時代と言われる今、徹底的にアイドルをフィーチャーした番組とか。MCはアイドルオタクかつ知名度もあるAKB48…じゃなくてHKT48の指原でいいでしょう。いいともにも出てるから知名度もあるし。一人では回せないかもしれないから、南キャンの山ちゃんかイジリー岡田をセットでつけて、と。まんま指祭り。ももクロとかハロプロ系にスパガ、アイドルならよりどりみどり揃ってまっせ!

アイドルソングって結構いい作曲家が書いてるから、音楽番組としても案外まともな内容になりそうだし…

テレビっていうマスメディアの限界を多少感じつつ、見応えのある音楽番組を作って欲しいと切に願います。特に昔から続いてるMステとCDTVには何とか生き残って欲しい。終わった番組に哀悼の意を示しつつ…

それでは、また。