アラフェスで見たチケットの信用売りにご用心!

「信用」って単語だけだと安心や健全そうなイメージを受けますが、今回の場合はむしろ真逆です。株をやっている人はご存知かと思いますが「信用売り」という言葉があります。簡単にいうと「物を借りる→売る→物を買って返す」ということです。普通だったら「物を買う→売る」の順番ですよね。ちなみにチケット業界で信用売りなんて言葉は使われてないと思いますが、株にならって敢えてこの単語を使います。

この「信用売り」をもう少し詳しく順番通りに書くとこうです。

1.持っていないチケットをオークションで売る

2.チケットが発送・発券開始されるのを待つ

3.オークションで安いチケットを買い、1で売った人に発送する

以上です!一般的な転売屋は「チケットを買う→オークションでチケットを売る」の順番ですよね。ちなみに先に申し上げますが、信用売りなんて方法でチケットを売る輩はロクなもんじゃありませんからね。

さて信用売り。この方法には売る側にとって大きく3つのメリットがあります。まず一つ目に、チケットを仕入れるための元手がいりません。まずオークションで(持っていないチケットを)売るので先にお金が入ります。

次に、できるだけ席の悪いチケットを落札することで、儲けを大きくできます。アーティストによっては、最初の先行予約では当たりづらくオークションで高値になるものの、一般発売が終わってチケットが届き始めると安値になる事がままあります。そのため最初に高値で売って、後から悪い席を安く買うことで利益を最大化できるわけです。

最後に、後になってチケットが値上がりした場合は適当な理由をつけて、返金した上でバックれちゃえばいいんです。最初に売った値段より高く買ったら損しますから。もちろんヤフオクの手数料や振込手数料くらいはマイナスになりますが、普段の儲けを考えたらきっと微々たるものです。

この中で、特に最後のバックれが問題です。先日のアラフェスでも実際にあったようですが、オークションで買っていたチケットが公演日間際になって取引キャンセルされた…というもの。オークションで買うこと自体が規約に違反していたりなど購入者にも責任はあるんですが、それにしても迷惑な話です。そもそもチケットを正規で手にいれられないから、信用売りなんていう変な売り方をするわけで、これに比べたら普通に売る転売屋の方がナンボもマシです。マシ…って程度ですけど。

ただこの方法にももちろんリスクはあって、チケットの値動きをある程度予測できないと儲けられません。後で安くなる見込みがあって初めて得する売り方なので、そこを見誤ると大損orバックれキャンセルの2択がまっています。キャンセルすれば評価は批難が集中しますし、いつ訴えられるとも分かりません。

こんなお得な方法があるので是非儲けてください…という意味でなく、オークションで買うとこんな危険もあるよというご紹介でした。特に主催者から禁止されている場合は完全に自己責任。もしもオークションを使う場合はくれぐれも注意して下さい。