ももクロの日産スタジアム公演で顔認証を導入することについて

先日4月に行われたファンクラブイベントで少し話が出ていた顔認証について、日産スタジアム公演で正式に導入することが発表されました。

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# 顔認証とは

顔認証?免許証とかの確認は今でもしてるじゃん。って思う人もいるでしょう。顔認証は、あらかじめスマホなどで撮った写真を登録しておいて、「人間ではなくコンピューターが写真と本人の顔をチェック」します。人間が見て確認するんじゃない所がポイント。

# 精度

世界一の顔認証精度 NECがPCソフトを発売 - MSN産経ニュース

こちらのニュースを見ると、エラー率が0.3%とのこと。1000人に3人、70000人なら210人になります。まだまだ精度に不安がありますが、これぐらいならエラーだった人だけ、スタッフが確認して対応できる範囲じゃないでしょうか。現在の写真による本人確認は結構な人数のスタッフを使って時間もかけているので、スタッフの削減と認証スピードアップへの効果はありそうです。今後、コンピューターの認識精度もまだまだ上がっていくことでしょう。

# メリット

今までの写真認証だと、その気になれば証明書の偽造も可能です。一方、あらかじめ写真を登録してある顔認証方式だと、顔を偽造するわけにはいかないので本人が行くしかありません。これは転売屋はもちろん、個人で複数口ファンクラブに加入している人にも厳しいです。複数取れても、自分の顔は一つですから。ももクロでは複数アカウントを禁じているので問題ないですが、知り合いの名義を借りるのがよくある嵐などが導入すれば、とんでもない騒ぎになりそうな感じはします。ともかく、正規に買いたい人の当選確率は、認証によって上がることになります。

もう一つ、特に今回のように前例がない状態だと、転売した相手から入場できなかったというクレームが入るリスクがあるため、単純に転売の抑止力になります。もっとも今回の認証が甘かったりすれば、次回以降の抑止力にはならなくなりますけど。

# 行けなくなったらどうする?

これは顔認証がどうとかでなく、今の写真認証でも同じですね。転売が禁止されている以上、何らかの方法で譲渡する手段が必要です。どうしても行けない事情が発生する場合はあるので、もし転売を禁止とするなら(認証があるなら)公式にシステムを用意するしかないでしょう。基本的には行けなくなった人の責任なので、手数料は利用者側の負担で。これはB'zのマッチングシステム、コブクロのEMTGなどで既に取り入れられています。

# 心配な点

まず一つ、顔認証の精度が悪かった場合。

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ちょっとした化粧やヒゲ、眼鏡などは問題なさそうですが、度が過ぎれば認証の精度が落ちるはず。コスプレなどで着飾ってくる人も多いだけに、はたしてどれだけスムーズにいくかは読めない部分もあります。日産スタジアムの規模なので、万が一うまくいかなかった場合の対応方法だけは十二分に考慮しておかないと、大混乱になるでしょう。サザンのスタジアムツアーでも、発券機トラブルによって開演時間が押した事がありました。

新しいシステムを導入するので、さすがに念入りに考えてくれるでしょう。たのみます!

もう一つの心配は、面倒になることで新規のファンが敬遠してしまう可能性。これは、多少なりとも起こると思います。チケットを買って行く、というだけでもなれない人からすれば大変に感じる事だと思うので、認証とかが入ると「もういいやー」みたいに思う人は出てくるはず。場合によっては、そのせいで客足が落ちて人気が陰る可能性もあります。これについては、一般発売分は認証しないことにするか(そうすると転売屋の餌食ですが)、面倒だと思う以上に行きたくなる存在になるか、でしょうか。ももクロに限らず、「面倒だけど行きたい!」と感じられるものが増えたらいいな…とは個人的な願いです。

# 結局賛成なの?反対なの?

正直、認証はなくてもいい派です。販売した後は譲渡可能(=転売も)にして、それよりも販売段階でなるべく転売屋の利益が減るような売り方をして貰えたらいいかな。某アーティストの場合ならファンクラブ先行で(良席の可能性がある)チケットを4枚まで買える…なんて事があるから、転売屋が参入してくるんです。利益が出るから転売が増える、単純なお話。ファンクラブ先行は1枚か2枚までとするだけでも全然違うはず。ということで、販売後の転売防止は不要派!

というスタンスなんですが、今回みたいに大きなイベントで新しい試みを導入することについては、素直に賛同します。普通、誰もやったことのない、こんな面倒な認証なんてしたくないはずなんです。対策してもしなくても叩かれるなら、しない方が楽ですから。正直に購入しようとするファンの事を考えてくれていることについて感謝すると同時に、今後他のイベントにも何かしら影響が出てくると思うので、ひとまずは今回の認証が無事に成功することを期待しています!